Tips：プレスフィットコンストラクションキット

Press-Fit Construction（interference fit / friction fitとも呼ばれる）

まとめ

接着剤、釘、ネジなどの留め具を使わずに、パーツ同士がはまること。
パーツ同士のジョイント部分の微妙な調整を行う必要がある。
パーツをつくるための材料を変更した場合、厚みなどが変わることでパーツ同士がはまらなくなることがある。

プレスフィットコンストラクションキット Tips

全文はこちら（英語）

プレスフィットコンストラクションでは、1/1000インチ（約1/100ミリ）単位の精確なカットが要求される。レーザーカッターは精密な加工が可能なツールだが、材料の種類や、レンズの形状、排気の状況などによってカーフ（i.e. カットに伴う材料の消失幅）が変わる。
また既製品のベニヤ板などは大抵、厚みに+/- .005インチ（約0.1mm）程度の誤差がある。

手元の材料や機材の特性に合わせてプレスフィットデザインを微調整できるように、デザインデータをパラメトリックに作成し、あとでノッチやスロットの幅を変えられるようにしておく必要がある。
ノッチの入り口の角を面取りしておくこと（i.e. 45度で切る）も重要

適切な面取りをしないと、パーツ同士のノッチを差し込みにくくなる可能性がある。

Inkscape は、オープンソースのベクタードローイングソフト。レーザーカッター用のデータをつくるときは、極細の赤線はカットされ、黒（またはグレー）の値は彫刻される。

QCadのようなフル機能のCADプログラムを使えば比較的簡単にパーツをパラメトリックにできるが、Inkscapeのクローンツールでもパラメトリックデザインが可能だ。

ステップ

まず、以下のステップに沿って、差し込みノッチのベースサイズを決める。

ノギスを使って、レーザーカッターのカーフ幅を測定する。
四角形をカットし、穴の内寸と、切り抜いた四角形の外形寸法を測定する。内寸から外寸を引き、２で割ると、その素材におけるカーフ幅が求められる。
ノギスを使って、材料の厚みを測る。
これらの測定値から、ぴったりはまるノッチの幅を予想してみる。
予想したノッチ幅を中央値として、.001インチ（約0.03mm）間隔で複数のノッチを作成する。（i.e. w-.002″, w-.001″, w+.001″, w+.002″ etc.）
レーザーカットし、はまり具合をテストする。
以上の手順を繰り返し、微調整する。

ちょうど良い寸法がわかったら、Inkscapeでテンプレートレイヤーを作成し、ノッチを描く。プレスフィットパーツにノッチを追加するときは、編集>クローンのオプションを使って、テンプレートレイヤーのノッチにリンクしたノッチのコピーを作成する。

新しい材料のためにノッチの形を変更したいときは、テンプレートレイヤーのノッチの寸法を更新すると、ドキュメント全体に変更が適用される。

Inkscapeのクローン機能について

Inkscapeにはオブジェクトのクローンを作成する機能がある。これはAdobe Illustratorのシンボルと似ている。クローンのオリジナルを編集すると、変更は他のクローンへ伝播する。 クローンされたオブジェクトは移動させることができるが、編集することはできない。クローンは、クローンの中でさらにクローンすることができる。

編集>Tile clonesコマンドで、クローンのパターンや配列をつくることができる。オリジナルのフィルやストロークが設定されていなければ、クローンされたオブジェクトを編集できる。